岩美郡岩美町の閑静な住宅街に、トゥジュールさんのお店はあります。お店を営まれているのは、稲木稔さん・寛子さんご夫妻です。
手がけられるお菓子は、フランス菓子や洋菓子。より良い素材を選び、丁寧にひとつひとつ作られます。甘みと酸味、塩加減など、味のコントラストを考えて作られるお菓子は、香りや味の奥行きが深く、おいしいものばかり。
大阪にある製菓技術研究所を卒業後、目的を持って、いろいろな会社やお店で経験を積まれた稲木さん。基本や伝統の技術を大切にし、その上でご自分なりの作り方を模索し、お菓子作りに励まれます。
そんな稲木さんが作られる代表的なお菓子のひとつに、ガトー・ア・ラ・ブロッシュ(Gâteau à la broche)があります。バスク地方、ピレネーの山奥で作られていた伝統的なお菓子で、小麦粉・砂糖・バター・卵を使って焼いたシンプルなお菓子です。焼きあがった姿は、岩山やもみの木のよう。もともとは、おうちの暖炉の前で、おばあちゃんがくるくると回す棒に、おじいちゃんがお菓子の種をかけて、じっくりと焼いて作ったお菓子なのだそう。そんな伝統的なお菓子を作るために、稲木さんは自ら試行錯誤して厨房の中に暖炉を作り、このお菓子を焼いておられます。山陰の薪を使って、じっくりと焼き上げられたガトー・ア・ラ・ブロッシュは、香りが高く、食べる前に鼻の前で広がる香り、ひとくち食べた瞬間の香り、ふたくちめの香りと、そのたびに香りが移り変わります。
そして、いくつも食べたくなるおいしいケーキ・・・。お店のショウケースには、常時15~20種類くらいのケーキが並びます。そのどれもがおいしくて、どれにしようか選ぶのがタイヘンです。また、マドレーヌやカヌレ、ブラウニーなどの焼き菓子や、季節のフルーツを使ったおいしいジャムなども。
そして、週末、運がよければお店で出会えるトゥジュールさん特製の天然酵母のパン。このパンのファンも、多いんです。初めは、ご自分が食べたくて焼かれ始めた酵母パン。今では、お客さまのために焼かれるようになりました。
「楽しくなる、ほっとする、心を揺さぶる」
そんなおいしいものを届けたい、稲木さんのおいしいお菓子作りは、今日も続きます。
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[写真/文: 松本]