埼玉県出身の中村さんは伊豆で飲食関係の仕事をしていたとき、ジャック・マイヨールの潜水に刺激を受け、仕事の合間を見ては伊豆の海で潜水を独学で練習していました。その後、転職雑誌に掲載されていた中山町(現、大山町)での素潜り漁の求人に応募したことが契機となり、鳥取にIターンすることに。
1年目は親方について素潜りの訓練でした。ウェットスーツを着ると、浮力が強くなるため、最初は全く潜ることが出来ませんでした。満足に潜れるようになるまでには、かなりの時間を費やしました。
2年目以降の3年間は鳥取県の漁業担い手育成研修を受け、漁船に乗船して本格的な漁を学びました。鳥取に来て4年、ようやく漁師として独立開業するに至りました。
現在(2012年6月)、中村さんの漁の中心は素潜り漁です。サザエ、アワビ、ウニ、ワカメなどを獲ります。ここ数年、数が減少してきている岩牡蠣はほとんど穫らないようにしています。
中村さんの穫る海産物の中でも特に人気がある、ワカメ。漁場は大山水系の
ワカメにも「旬」があります。中村さんは新芽の手摘みにこだわります。1年のうち、3月の彼岸過ぎから5月にかけての約2ヶ月間だけに芽吹く新芽を摘み、天日干しします。ワカメを天日干しするのは主に奥様の仕事。その時の気候にもよりますが、最低でも3日、1日15時間だけ天日に干し、夜間は室内に取り込むという作業を繰り返します。
干し終わったワカメは昔ながらの蔵に貯蔵します。先人の知恵によって建てられた蔵は温度・湿度が常に一定に保たれ、まさにワカメを貯蔵するためにあるような蔵なのです。中村家にある蔵は、旧・中山町では最も新しい蔵で、中に入ると歴史を感じさせないくらい、奇麗で未だしっかりと木の香りがするのです。建材には
現在は主にホテル・セントパレス倉吉にあるレストランを中心に海産物を出荷しています。稀少な漁師中村の海産物を、是非ファーマーズ&フィッシャーマンズ・マーケットで手に入れて下さい。
↓日本海テレビで放送予定だった中村さんを取材した幻の番組からの映像です。
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[写真/文: 森藤]
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